トレーニング
久しぶりに回転寿司に行った。
回転寿司というのは、自分のいろいろな感覚の鋭さが試される場所である。
まず、ネタが常に動いているので動体視力が必要だ。
さらに鮮度の高い物もあるので、より細かい観察眼が必要になる。
なぜなら同じレールを回っている物でも、鮮度の高い物もあれば、何周も回って乾燥しているものもある。
さらには見えないところで霧吹き等で水分を補給され、カモフラージュされているところもある。
また、透明の容器が被せられている所もある。これらは目を細めてその先にあるネタを少ない情報から判断しなければならない。
このあたりを見破れるだけの観察眼が必要になる。
もしかしたらアルコールスプレーもあるかも知れない。
従ってアルコールスプレーを見極める為に嗅覚ももちろん必要だ。
聴覚も必要になる。
それは寿司し職人が、集中的に特定の作りタメしたネタを一気に流す可能性があるからだ。
また、他の客が注文したネタも余分に作って一緒に流す事もある。
つまり聴覚を駆使して周りの状況を集め、その次に視覚により確認を行う。
その他にはどのネタが何回回ったかという記憶力やネタの減り具合による総合的な情報分析能力も必要になる。
これらの能力を駆使し、全ては自分の両手が届く範囲でそれらを見極めなければならない。
そして、一度手に取ったら最後それをもう一度レールに戻すことはできない。
ましてや食べずに残すというのも人道上許されない行為である。
間違って乾いてしまったら、勉強料と思ってそれを屈辱と共に喉に流し込む。
そして『次は絶対鮮度の高い物を見極めるぞ!!』と心に誓うのである。
『カニ』というネタも注意が必要だ、あまり安すぎる店だとカニカマという、カニに似せただけのかまぼこをつかまされる。
これはこれで負けである。
今回は久しぶりの回転寿司ということで、感覚が鈍っている事もあり、レールの上のネタを眺めるだけに留めた。
で、裏技を駆使した。
その代わりかなりのトレーニングが出来た。
次回はちゃんと食べよう。
って、何をしに行ったんだ?オレは。。。